亀丸です。

今回の記事を加えて、「戦国武将と易卦シリーズ」3部作にしてみようと思います。

足利義昭と地沢臨
http://kamemaru.net/ashikagayoshiaki.html
武田信玄と坤為地
http://kamemaru.net/takedashingen01.html

今回は毛利元就(もうりもとなり)編です。

毛利元就は地水師の上爻を得た

毛利元就は広島県(安芸国)の一部の小さな領地からスタートし、中国地方全域を支配するまでになった戦国武将です。

元就には5歳年上の兄がいました。
この時代は長子相続の時代ですから、次男に生まれれば兄の家来として一生生きていくのが当時の常識でした。

14歳のとき、元就は元服(げんぷく)をします。
元服とは、大人になるための儀式をすることです。その際、幼名から大人の名前(諱)に変えるのが習わしでした。

元就は松寿丸という幼名を持っていました。
毛利家は京都の東福寺のお坊さんに名づけを依頼することにしました。
東福寺は毛利家にとって長年にわたり親交のあるお寺です。禅を教わり、悩み事があれば相談できる、かかりつけのお寺のような存在でした。

佐藤某という家臣を京都に送り、東福寺の彭叔守仙(ほうしゅくしゅせん)という和尚に名づけを依頼しました。
彭叔守仙は一晩考えて「元就」という名を授けました。

この時、一緒に易占を行い、元就の行く末を占ったと伝わります。
縁起担ぎの一つとして、元服のときに易を立てるのがこの時代の習わしだったのでしょう。

その時に得たのが「地水師の上爻」でした。



大君に命有り。国を開き、家を承く

易経の「地水師の上爻」をひもとくと、このように書いてあります。

「大君に命(めい)有り。国を開き、家を承(う)く」

地水師は戦争の卦です。
戦いのなかに生きていく人生を予見しています。

でも、この戦いは勝てる戦いです。

「国を開き、家を受け継いでゆく」ということから、次男ながらにして家督を継ぎ、領土を広げていけるという風によめます。

元就付きの家臣はこれを聞いて大喜びで元就に報告しました。

毛利元就と易占のコピー






毛利元就は容易に人を信用しない

元就がこれを聞いてどう反応したかは資料が残っていないのでわかりません。

でも、想像はできます。

毛利元就は容易に人を信用しない性格です。
神経質で素直じゃなく、自分にも他人にも厳しい人です。

無邪気に喜んでいる家臣を横目に、「坊主はどうせ悪いことは言わんだろう」ぐらいに受け取ったんだろうと思われます。
元就は占いを信じないタイプです。

むしろ家臣に対して「あまりこのことは公言するな。兄上ににらまれたらかなわん」と釘を刺したかもしれません。

家臣がこのことを後々までずっと大事におぼえていてくれたので、現代でも占いの結果が伝わっているのですが、元就自身はすぐに占いのことなど忘れてしまったと思われます。



占いは驚くほど当たっていった

元就が信じたかどうかはともかく、占いは驚くほど当たっていきました。

5年後、兄が24歳にして急死しました。酒の飲みすぎによる急性アルコール中毒でした。
兄の子が幼くして家督を継ぎますがその子もすぐに亡くなり、元就が毛利家を継いでいくことになりました。

元就は長寿の人でした。
75歳まで生きています。その長い人生を、毎年のように起こる戦いのなかで勝ち抜きました。
元就は強運で、時には誰しもが負けると思った戦いに奇跡的に勝利したこともありました。
中国地方全域を手中におさめることになり、毛利家は江戸時代も大大名として存続し、幕末になっては明治維新を起こす中心となっていきます。



「地水師の上爻はやっぱり当たっておったのだ!」
この時の家臣はきっと晩年になってから、多くの人にこの話をしたのでしょう。

「殿はけっして口外するなとおっしゃった。せやけど、ワシはずっと信じておった。この殿についていけば出世していけるとわかっておったのだ。せやけん、どんなに辛いことがあってもワシは殿についていけたのじゃ」

周りにいる人たちは同じ話を耳にタコができるほど聞かされたかもしれません。この話は多くの人の知るところになり、毛利家文書に残されました。


占いは自分が信じなくてもいい。誰かが信じれば当たる

地水師の卦は、元就にとってはどうでもよいことだったのでしょうが、この家臣にとっては大事な大事な卦でした。

主君の運命は、直接その家臣の人生に影響を及ぼします。
戦国時代ですから、悲運の主君についていってしまったら、その家臣だってその悲運を辿らないといけないのです。
だから、主君が「強運」の持ち主かどうかは家臣にとって切実な問題だったのです。
目の前で地水師の上爻が出たのをみたとき、若き日の家臣は自分の人生が開いていくような感動があったのでしょう。


「運」というものは一人だけの運で完結することはありえません。
多くの人の運が交差して成り立ちます。

占いは自分が信じなくてもいいのです。
誰かが信じれば、その人の運が乗っていって当たることもあるのです。





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