亀丸です。

漢学・易学の先生として名高い安岡正篤先生の「省」という字の話が好きです。

「反省」とは何かを「省く(はぶく)」こと


「省」という字には二つの意味があります。

1:「反省」などの単語で使われる「かえりみる(省みる)」という意味。
2:「省略」などの単語で使われる「はぶく(省く)」という意味。

これはもともとは同じ意味だと安岡正篤先生は考えます。
つまり「反省」とは何かを「省く(はぶく)」ことだと。

うまくいかないときは、何か余計なもの、無駄なものがある。
それを探して「省く」こと──

それが「反省」するということだというのです。

「反省する」というと、何か禁止事項や義務を増やさなければいけないイメージがありますが、むしろ失敗の原因となっている何かを省いて、シンプルにしたほうが良いのかもしれません。

私たちはうまくいっていないとき何が過剰になっていることが多いように思います。
意地とか、プライドとか、思い込みとか、不足感とか……「省く」べきものがあなたにもあるかもしれません。

省01

「省庁」とは本来、過剰なものを「省く」のが仕事である


安岡正篤先生はさらに論をすすめて、「」という字が「国土交通」「財務」といった国の省庁の名称にも使われていることを指摘します。

この「省」の使い方は古くから使われています。
たとえば701年の大宝律令では八省(大蔵省・刑部省・中務省・式部省・治部省・民部省・宮内省・兵部省)が国の官僚機構として制定されました。

省庁というのは本来、「省く」ことが仕事なのかもしれません。
何かを付け加えるよりも、ほっておくとどんどん過剰になっていくものを「反省」して「省いていく」ことが、政治の仕事なのかもしれません。

でも、何かを省く、何かを削る政策ってのはカドが立つんですよね。
それまでの既得権益者たちが当然反発してくる。
「○○の拡充を」「○○対策を」「○○を豊かに」とドンドン付け加える政策のほうが周囲にウケがいいので、そういったことばかりを政治家は主張するのでしょう。

選挙のシーズンがやってくると、私はいつもこの話を思い出します。




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